入部前から「キツイ部活」と聞いてはいたけれど
練習の厳しさより、あまり意味のない形式的な上下関係がイヤでした。
廊下で先輩に会ったら先輩が見えなくなるまで
生徒手帳が胸ポケットから落ちる高さでお辞儀しなければいけない…
だとか。
楽器を落としたら腕を上げてグーパーを繰り返しながら正座30分の罰則があるとか。
(勿論、それだけ楽器に細心の注意をはらわなければいけないけれど
それを教えるのは罰則ではないと思う。)
と、クラリネット時代はロクに練習もせず
大して吹奏楽に思い入れはなかったのでした。
そんな私はある曲に心を射抜かれます。
中学2年の時のコンクールの課題曲「オーバーチュア・ファイブリングス」。
(…って書いたら私の歳がばれますね。)
この曲の中盤、ソロから始まるティンパニ。
打楽器を知らなくても相当のテクニックが必要なのが分かりました。
このティンパニも素敵だけど
コレを叩くN先輩と言うのがまたカッコイイ。
そりゃ14歳と言えば、憧れる男子の先輩も居ます。
一生懸命練習してるわけでもなく
時々フラ~ッ…と練習に来ては
合奏で涼しい顔をして
このティンパニを完璧に叩く。
その先輩の姿振る舞いの全てが素敵。
しかし、先輩ですから1年先に卒業してしまいます。
私は高校でこの先輩を追いかけると決心。
「高校に入ったらパーカッションをやるっ」
と心に決めたのです。